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川上未映子「乳と卵」

C

   第138回芥川賞受賞作。


   全編関西弁で綴られているこの小説。

   目で文字を追っているはずなのだけれど、

   途中何度も息苦しくなるtyphoon

   使っているのは目のはずなのに、

   息継ぎが上手くいかないという変な感覚。

   運動に例えるならば間違いなく無酸素運動。


   あらすじは、東京に住む夏ちゃんの家に、

   大阪に住む姉の巻子(39歳)とその娘の

   緑子(小学6年生)が夏休みを利用して

   3日間遊びにやってきた時のお話。

   ちなみに旦那とは10年前に別れているので母子家庭。


   この親子もちろん問題あり。

   母親である巻子は、上京する1カ月以上前から豊胸手術に関する情報を集め、

   並々ならぬ胸への執着を見せているimpact

   一方で娘、緑子との関係は半年ほど前より、直接的な会話はなく、全て筆談。

   緑子は筆談用の小さいノートと記録用の大きいノートの2冊を所持しています。

   母親だけでなく、久しぶりに会った夏ちゃんに対しても筆談pen

   記録用の大きいノートに何が書かれているかと言うと、

   初潮についての緑子の見解が書かれていたりします。そして母親のこともthink


   母親と子供の関係ってなんかペットと飼い主にも似てる。

   子供より母親の方が圧倒的に外の世界は広いwave

   子供だって学校に行ったりしてるけど、それは母親も経験済。

   母親が考えている以上に子供は母親のことを見てるし、

   不安で仕方なくても何も言えなくても、それでもすごく心配してるthink

   そしてなんとかしようと一生懸命考えてる。


   夏ちゃんの家で過ごす最後の夜、とうとう感情が相手に向けて点火bomb

   爆発させたのは母親の巻子。

   その様子を見ていた夏ちゃんの心の内は、

   「ああ、巻子も緑子もいま現在、言葉が足りん、ほいでこれをここで見てる

   私にも言葉が足りん、云えることが何もない、…(以下省略)」

   と続いていく。

   そして巻子は緑子に言います。

   「ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、

   絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、

   でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、

   何もないこともあるねんで、…(以下省略)」

   と話は続いていき、ぐちゃぐちゃになりながらも収束。


   言葉が足りんかったり、ほんまのことが知りたいとかって、私は心当たりあるなぁthink

   でもそれもどうしようもない。どうしようもないとしか言えない。


   この小説、巻子の豊胸手術への意気込みのようなものも結構な割合を占めていて、

   夏ちゃんに対して語られる豊胸手術についての諸々、特に銭湯でのやりとり。

   女性なら苦笑い、男性にはついていけない世界ではsign02 


   「乳と卵」というタイトル、この本を読んでしまうとこれ以外のタイトルは

   無いなぁ、と思いましたhappy01

   ちなみに「ちちとらん」と読みますdiamond

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